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甲状腺腫瘍

甲状腺腫瘍とは?

甲状腺全体が腫れる、「びまん性甲状腺腫」と甲状腺にしこりができる「結節性甲状腺腫」があります。

びまん性甲状腺腫

バセドウ病や橋本病が原因で、甲状腺が腫れた状態です。甲状腺ホルモンの異常を伴う事が多いです。

結節性甲状腺腫

1良性
濾胞腺腫(ろほうせんしゅ)と、腺腫様甲状腺腫(せんしゅようこうじょうせんしゅ)や嚢胞(のうほう)などが含まれます。
「濾胞腺腫」は腫瘍の外側を被膜と呼ばれる膜に包まれた腫瘍で、多くは一つだけできます。結節(こぶ、しこり)が甲状腺に多数できる場合が「腺腫様甲状腺腫」、結節の中に液体が貯まった状態が「嚢胞」です。
2悪性
甲状腺の悪性腫瘍には、「乳頭(にゅうとう)がん」・「濾胞(ろほう)がん」・「髄様(ずいよう)がん」・「未分化(みぶんか)がん」・「悪性リンパ腫」があります。
①乳頭癌
甲状腺がんの中で最も多く、約90%を占めます。
進行がゆっくりで、予後(治療後の経過)がよいとされており、生命に関わる事はまれです。
乳頭がんが見つかった際には、年齢や腫瘍の位置・大きさ、リンパ節転移の有無等を総合的に判断して、手術治療の必要性を考える必要があります。
腫瘍のサイズが1cm以下でリンパ節に転移を認めない場合は、手術を行わず、超音波検査で定期的に腫瘍の大きさをチェックする方法も選択肢の一つと考えられています。
②濾胞がん
甲状腺がんの約5%程度を占めています。
通常は甲状腺の腫瘍に対して、超音波装置を使って腫瘍の位置を確認しながら、針を刺して腫瘍の細胞を取り検査する事で、良性腫瘍と悪性腫瘍をある程度予測する事ができます。しかし、濾胞癌ではこの検査で、悪性の癌であると確定する事は困難で、良性の濾胞腺腫との区別が難しいです。手術前の診断が難しい癌の為、良性腫瘍だと思って手術したら濾胞癌であった経験もあります。
手術で摘出した腫瘍の病理結果で、微小浸潤(びしょうしんじゅん)型と広範浸潤(こうはんしんじゅん)型のどちらかに分類されます。
多くを占める微小浸潤型は、手術のみで治癒することが多いですが、広範浸潤型では、再発率が高く注意が必要です。肺や骨など離れたところの臓器に転移することがあります。
③髄様がん
甲状腺がんの約1%を占めており、遺伝が原因で起きることもあります。
甲状腺は濾胞(ろほう)細胞と傍濾胞(ぼうろほう)細胞からできています。
髄様がんは血液中のカルシウムを下げるホルモンである、「カルシトニン」を分泌する傍濾胞(ぼうろほう)細胞のがんです。
髄様がんでは血液中のカルシトニンとCEAという物質の測定値が上昇します。
遺伝が原因の場合は、遺伝子検査を行う事で、がんが発生する遺伝子があるかどうかを診断できます。
初期治療としては、手術が推奨されます。
④未分化がん
甲状腺がんの約1%しかないのですが、非常に進行が早く、悪性度も高いのが特徴です。高齢者に多く、若者はほとんど発症しませんが、40代に発症する事もあります。長年にわたってすでに存在していた乳頭癌や濾胞癌の性質が突然変わって、未分化癌に転化すると考えられています。
診断時に治療可能は場合には、手術・放射線治療・化学療法を組み合わせた治療を行いますが、予後は極めて悪い事が多いです。
⑤悪性リンパ腫
甲状腺内のリンパ球由来の悪性腫瘍です。
橋本病の時に、甲状腺に発生してしまうことがあります。
診断後、放射線療法や化学療法を行います。

院長より

甲状腺腫瘍の診断には超音波検査が必要不可欠です。
首にしこりがある、健診で甲状腺腫大を指摘された等でお困りの際は相談してくださいね!

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