橋本病
橋本病とは?
免疫の異常によって、慢性的に甲状腺に炎症が起こることで、甲状腺組織の細胞が破壊される事で、甲状腺ホルモンが作られにくくなり、甲状腺の機能が低下していく病気です。女性に多く(男性の30倍)、20歳代後半〜40歳代に多くみられます。
原因
免疫に異常が起こる原因の1つとして、遺伝的素因があり、それに加えて何らかの環境要因(ストレスや出産等)が関連して発病すると考えられています。症状
初期には症状がなく、首の腫れを自覚されて受診される事が多いです。橋本病では、首が腫れるだけで、他に症状が出ない方も多数いますが、病気が進行すると、甲状腺の機能が低下する事で、無気力・疲れやすさ・全身のむくみ・寒がり・体重増加・便秘・かすれ声等の症状を自覚されます。女性では月経過多になることがあります。
治療
甲状腺の機能の低下を認めない場合は、経過観察のみで、特別な治療は必要ありませんが、将来的に甲状腺の機能が低下する恐れがある病気の為、6ヶ月~1年に1回甲状腺機能のチェックを受けることをお勧めします。甲状腺の機能の低下を認める場合は、甲状腺ホルモンを薬で補充します。甲状腺ホルモン薬は、最初は少量ずつ服用し、徐々に増やしてその方の身体に合った量を調整していきます。
甲状腺ホルモン剤は、体内で作られている甲状腺ホルモンと同じものであり、副作用などはほとんどありませんが、過剰に内服すると、動悸がする、手足がふるえるなどの甲状腺ホルモン過剰の症状が現れますので注意が必要です。
ヨード(昆布やひじきなどの海藻類)過剰摂取が疑われる場合は、ヨード制限も行いますが、あまり神経質になる必要はありません。