嗅覚障害
嗅覚障害とは?
嗅覚障害(きゅうかくしょうがい)とは、においを感じる経路に異常がおこった状態です。
分類・原因
人が臭いを感じる時、鼻から入ったにおい分子が、鼻の中の天井部位である嗅粘膜(きゅうねんまく)に伝わり、その後に神経を介して脳に情報が伝わる事でにおいを感じます。
嗅覚障害はにおいを感じる経路の異常部位により以下に分類されます。
気導性嗅覚障害
においが嗅粘膜に正しく届かないことでおきる、においの障害です。
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎が原因となります。
嗅神経性嗅覚障害
嗅粘膜にある、においを伝える神経である嗅神経が障害されることでおきる、においの障害です。
風邪等の感冒後や薬剤が原因となります。
中枢性嗅覚障害
脳に異常があることでおきる、においの障害です。
事故などの頭部打撲や脳腫瘍、アルツハイマー型認知症、パーキンソン病等が原因となります。
検査
診察
問診の後、鼻の中を観察させていただき、アレルギー性鼻炎や鼻茸(はなたけ)とよばれる鼻のポリープがないか等を診察します。
静脈性嗅覚検査(じょうみゃくせいきゅうかくけんさ)
肘の静脈に、アリナミン液とよばれる薬剤を注射すると、薬剤のにおいが静脈から肺を経由して、吐く息の中に含まれ、それが嗅粘膜に達する事で、正常であれば薬剤のにおいを自覚する事が出来ます。
においの経路のどこにも異常がない人にこの検査をおこなうと、薬剤を注射して約9秒以内でにおいを感じ、約60秒程度はにおいが続きます。
この検査で、嗅覚障害の予後(回復の見込み)を推測します。
治療
原因疾患に合った治療を選択します。
症状に応じてステロイドの点鼻薬、神経代謝活性剤、ビタミン剤を使用します。
院長より
嗅覚障害の原因で一番多いのは副鼻腔炎です!
嗅覚の事でお悩みの際は、相談して下さいね。