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バセドウ病

バセドウ病とは?

甲状腺の働きが活発になり、甲状腺ホルモンを過剰に産生してしまう病気です。
甲状腺ホルモンが過剰になると全身の新陳代謝が盛んになり、様々な症状が起こります。
男性よりも女性に多く、20~30代に圧倒的に多い病気ですが、次いで40〜50代に多いのが特徴です。

原因

免疫の異常によって、甲状腺が刺激される事で甲状腺ホルモンが多量につくられる様になる事が原因です。
免疫の異常が起きる原因は分かっていませんが、親や兄弟などの身内にバセドウ病を罹っている方がいらっしゃる場合やストレス、妊娠・出産などをきっかけとして起こるのではないかと考えられています。

症状

過剰に産生された、甲状腺ホルモンの影響で様々な症状が起こります。
典型的には、動悸、体重減少、指の震え、暑がり、汗かきなどの症状がおきます。その他、疲れやすい、軟便・下痢、筋力低下、精神的なイライラや落ち着きのなさが生じることもあります。
甲状腺はのどぼとけのすぐ下にありますが、甲状腺全体が腫れる事で、首の腫れを自覚して病院を受診される事もあります。ただし、腫れの大きさとバセドウ病の症状の強さは、比例するものではありません。
目がとび出たり、まぶたが腫れる、物が二重に見える等の眼の症状が出ることもあります。

治療

①薬物治療
日本のバセドウ病では1番多く使われる行われる治療です。甲状腺ホルモンが過剰につくられるのを抑える役割をする「抗甲状腺薬」を使用します。 抗甲状腺薬は効果が高く、ほとんどすべての人に有効な治療ですが、症状が治まるまでの状態になるまでは比較的時間がかかり、人によってその期間は異なります。
抗甲状腺薬の副作用として、服用後1〜2週間で関節の痛みやリンパ節の腫れが出ることがあります。3週間以内に出ることが多いのが、かゆみ・皮膚の発疹です。服用後2週間〜3ヶ月の間で肝臓の機能が低下する事もあります。特に注意する必要がある副作用が、服用2〜3週間で起きる無顆粒球症(むかりゅうきゅうしょう)です。無顆粒球症は、白血球の中の「顆粒球」が極度に減少する副作用で、細菌に感染しやすくなり、急性扁桃炎・敗血症などの感染症を起こします。副作用で無顆粒球症が起こる頻度は約1000人に1人で、まれにしかおこりませんが、入院治療が必要になります。発熱、のどの痛みなど風邪のような症状を認めた場合は、直ちに内服を中止して病院を受診していただく必要があります。
およそ8割の方が薬物治療で軽快し、そのうちの半数の方は薬を中止することができますが、服薬を中止できたあとも、1年以内に3割程度の方が再燃し、薬の再開が必要になります。
②放射性ヨウ素(アイソトープ)治療
甲状腺の細胞を放射線により破壊することで、正常に戻す事を目的にした治療です。薬物療法で効果不十分な方、薬の副作用で抗甲状腺薬が使用できない方等に適応があります。
放射線を出す性質を持たせたヨウ素(放射性ヨウ素)のカプセルを飲むことで、ヨウ素が甲状腺に集められ、放射性ヨウ素から放出されたβ線が甲状腺の細胞の一部を破壊する事で、甲状腺の機能を抑えます。
放射性物質を用いるため、妊娠及び妊娠している可能性のある方、授乳中の方、思春期以前の小児では行いません。
短期間で症状を改善させたい方などに適していますが、治療を希望する場合には、専門の医療機関で行う必要があります。
 治療の副作用としては、治療により甲状腺が破壊されるため、将来的に甲状腺機能低下症をきたす可能性があります。
③手術治療
手術で甲状腺自体を摘出することにより、甲状腺ホルモンをつくらせないようにする治療方法です。手術の方法としては、甲状腺の一部を残す「亜全摘手術」と、甲状腺を全て取り除く「全摘手術」があります。
副作用で抗甲状腺薬が飲めない人や、放射性ヨウ素治療が選択できない人、妊娠中の人、結婚や出産などの予定があり短期間で症状を改善したい方などに選択されます。
手術治療には1〜2週間の入院が必要であり、手術に伴う合併症が発生するリスクがあります。合併症には、手足のしびれや声のかすれ等があります。
手術後は再発も少なく、薬物療法や放射性ヨウ素治療に比べて高い治療効果が期待できますが、将来的に甲状腺機能低下症をきたす可能性があります。

院長より

高齢者のバセドウ病の症状は、老化による体の衰えだと間違われる事もあります!気になる症状があれば、気軽に相談してください。

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